りんどう庵

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りんどう庵

ぴ~ち・でぃず~ヒミツノカンケイ~ *R18


2.忘れられなくしてあげる

2010.03.23  *Edit 

「大丈夫?桃佳ちゃん」

大丈夫ですよ。でもちょっと飲みすぎちゃったみたい・・・。なんだかとっても柔らかなマットの上を歩いてるみたいに、足元がふわふわしてる。
それにしても、ちょっと苦しい。
「少し休もうか」
それはいいですね。是非そうさせてください。
「少し歩くけど、大丈夫?」
勿論です。大丈夫ですってば。
ワタルさんが肩を貸してくれてるから、ちゃんと歩けますよ。・・・でも、手を離されたらちょっと自信がないかも。

「ほら、着いたよ。座って」
柔らかくて気持ちいい。ちょっと横になっちゃおうかな。
「ああ、待って。ほら、ちょっと起きて。このままじゃ苦しいでしょ?ほら、両腕上げて、はい」
確かに・・・なんだか胸の辺りが苦しい。
あ、服、脱がされてる。ああ、余計なもの脱いだら、とっても楽。
「ほら、まだ。ブラも外したほうが楽だから」
うん、そうかも。でもあれ?ブラのホックってどうやって外すんだっけ?
あ、外れた。はああ、締め付けてたものをとったら、随分楽になったみたい。
「スカートも脱ごうね。ウエスト、苦しいくない?」
上の開放感を考えると、確かにウエストが苦しいかも。パンストって案外締め付けるんだよね。
脱いじゃったらきっと楽。全部脱いじゃえ。
大丈夫ですよ。手伝ってくれなくても、きちんと自分でできますから。
「楽になたでしょ?」
はいとっても。でも、なんだかちょっと寒いかも・・・って、あれ?何でワタルさんまで裸になってるの?ああそうか。ワタルさんも飲みすぎて苦しいんだ。
「桃佳ちゃん」
はい、何でしょう?
あれ、ワタルさん、私が寒いのどうして分かっちゃったんです?それとも、ワタルさんも寒いの?そんな風に抱きついてきて。
でもとってもあったかい。こうしてぴたっとくっついてると、眠くなるくらいにあったかくて気持ちがいい。
唇もあったかい。
ワタルさんの唇、とっても柔らかくてあったかいですね。
キスは大好き。
でもそんなふうに、激しく口の中を攻められたら、なんだか頭の中まで掻き回されてる気分になってきます。
あ、せっかくとってもあったかかったのに、どうして離れちゃうんですか?くっついてたほうがあったかいじゃないですか。
ふわふわと何かが首筋から胸のほうに降りていく。
この暖かさは、ワタルさんの唇?
離れてしまったから体はすうすうするのに、胸の辺りだけが暖かい。この手はワタルさんの手。やわやわと動いている。そんなことしたらダメじゃないですか。
しかも・・・。
「ぁあん!!」
ほら、胸は弱いんですから、舐められたりしたら声が出ちゃいます!
わき腹をくすぐるように撫でる手が、くすぐったいようなぞくぞくするような、どうしちゃったんだろう。私の体。
「ひ・・・ぁ!」
そんなところ、舐めちゃダメですってば!!
でも、しっかり腰が押さえつけられてて動けない・・・。
「ふぅっう・・・はぁああ、あ、あん」
恥ずかしい。
でもどうしようもなく感じてしまって、腰を押さえつけられてなくても、もう動くことなんかできない。
怖い、怖い!!
何だか変な感じ・・・。
大きな波にさらわれそうな感じ!!
ああ!!

・・・。
今のはなんだったんだろう・・・。体の奥がジンジンと熱い。
ワタルさんが微笑んでいる。
綺麗な顔・・・。
綺麗な目・・・。
「忘れられなくしてあげるよ」
声も綺麗。
これから何が起こるか分かってるよ。
繋がるんでしょ?
いいよ。
何だかもう、さっきから体の奥が熱くてたまらないの。
「ああ」
吐息が漏れてしまう。
ワタルさんと繋がった。
ぐっとワタルさんが私の奥に入り込むたびに、全てが押し上げられるようで、苦しい。
苦しいけど、苦しいだけじゃない。
どんどん上り詰めていく感じ。止められない衝動・・・。





「んん・・・」
桃佳は、眠りと覚醒の隙間をふわふわと漂っていた。
けれど、どちらかというと、覚醒の方に近い位置にいる。目は閉じていても、意識が目を覚ましつつあった。

ああ、私ったらなんて夢を見ちゃったんだろう。
あんなエッチな夢・・・。

そんなことを思いながら、細く目を開ける。
一瞬ぼんやりとする視界から目をそらすように閉じ、すぐに驚いたように目を見開く。
見覚えのない壁の模様。見覚えのない天井。見覚えのない、けばけばしい照明・・・。明らかに自分の部屋ではないことに、いくらアルコールを摂取しているとはいえ、気づかないほど桃佳も馬鹿ではない。
しかもここが、多分ラブホテルと呼ばれるところだろう、ということにもすぐに考えが及ぶ。
さああああ。と、全身の血液が引いていく音を、桃佳は聞いたような気がした。
しかも、この肌に直接布団が触れる感覚は・・・。
自分の体をまさぐって、まったく何も身につけていないことを知る。
「目が覚めた?」
急に声をかけられて、桃佳は体を硬くした。
その体が後ろから抱きしめられる。夢の中と同じぬくもりが背中を通じて伝わってくる。
「少し眠ったみたいだね」
その声の主はワタル。振り返らなくても、つい数時間前まで一緒にお酒を飲んでいた人物の声は聞き間違えない。
「ワタルさん・・・」
「何?」
「あの、私、あの後、どうしたんでしたっけ?」
恐る恐るたずねる。聞くのは怖かったが、知らなければいけない。
「覚えてないの?」ワタルの声はどこか不満げだ。「まあいいさ。あの後、俺とホテルに来てセックスしたんだよ」
やはり、夢ではなかった。
「本当に覚えてない?」
「・・・覚えてます」
夢だと思っていた出来事が、夢ではなく現実ならば、桃佳はワタルと何をしたのかはっきりと分かっている。
鈍痛を伴って、さっきまで確かに何かがそこに存在したといういう異物感が、桃佳の内部からもワタルの言葉が真実であると知らせていた。
「そう、よかった」
ワタルはにっこりと笑ったが、桃佳の頭の中は混乱し、行き場のない混乱が涙となって瞳から次々に流れ落ちた。
桃佳はそこにワタルがいるのを忘れているかのように、両手で顔を覆ってわあわあと声を上げて泣いている。
「どうして泣いてんの?」
「・・・っ、だって」
駿の顔が、目を閉じていてもちらつく。
駿という大事な彼氏がいるのに、たとえアルコールが入っていたとしても、他の人に体を許してしまうなんて、駿に申し訳なくて自分が情けなくて、桃佳は泣くしかなかった。
「楽しんでたじゃん」
「え?」
ワタルの冷ややかな声に、桃佳は首をひねって彼の顔を見た。
その顔は、一緒にお酒を飲んでいたときのような穏やかで優しいものではない。声と同様の冷ややかなものだ。
「楽しんでたよ、桃佳チャン。気持ちよかったんだろ?」
「・・・そんな!!」
顔がかあっと高潮する。さっきの夢だと思っていた記憶の中で、ワタルに攻められ、悶える自分の姿を思い出す。
「確かに桃佳ちゃんは酔ってたけど、抵抗もしなかったし、一度だって『嫌だ』とも言わなかったよ」
ふんと鼻で笑って、ワタルは桃佳の体から離れる。
「でも・・・。私酔っ払ってて・・・」
弱々しく言い訳する桃佳を、ワタルは服を着ながら一瞥した。
「酔っ払ってた。確かにね。でもどんな言い訳をしようと、事実は消えないよ。それに」ジャケットを羽織り、にこりと微笑む。「無理やりじゃなくて、あれは同意の上でのことでしょう?」
その言葉に桃佳は身動きができない。
そうだ。
『同意の上』と思われても仕方がない。
桃佳は何をされているのか分かっていて、一切抵抗も拒絶もしなかった。
ふっとワタルが桃佳の耳元に顔を近づける。
「・・・桃佳ちゃん、美味しかったよ」
ふうっと耳に息を吹きかけられ、桃佳は両方の手で耳を覆った。
その様子を見て、ワタルがさもおかしそうに笑っている。
「まあいいんじゃないの?一夜の過ちってやつで。よくあることだよ。じゃあ」

ばたん。
ドアの閉まる音がした。
まるで気にするな、とでもいうような言葉を残して、ワタルは部屋を出て行った。
けれど、そんなことを言われたところで、気持ちが軽くわけもない。

『よくあること』で済ませられるはずがない。少なくとも桃佳にとっては。

自分の過ちの大きさと、行き場のない悲しさと怒り、そしてこうなってしまった自分の愚かさを悔やむことしか桃佳にはできなかった。






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【恋愛遊牧民】


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