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ぴ~ち・でぃず~ヒミツノカンケイ~ *R18


23.一緒にいたい 2

2010.03.24  *Edit 

駿に促されてホテルの一室に足を踏み入れる。
桃佳の背後でドアが閉まった。
当たり前なのだけれど、密室。二人きり。
どうにも居心地が悪いような気がして、桃佳は入り口のところで立ち尽くしたまま、部屋の中を物色する駿を見つめた。
「何してんの?清水。こっちおいでよ」
「うん・・・」
気後れしたような桃佳の様子に気がついて、安心させるように優しく笑いかける。「大丈夫だって。ホテルに来たからってすぐに押し倒したりするつもりないし、とにかく一緒にいたいだけなんだから」
「うん」
少しだけほっとしたような顔をして、桃佳は中に入って備え付けのソファーに座った。
「はい」
目の前にお茶の缶が差し出される。
「ありがとう」差し出された缶はひんやりと冷えていて、桃佳を体の中から冷ましてくれるようだった。
駿はまだ幾分気後れしている桃佳を気遣って、隣ではなく少し離れたベットの上に腰掛けた。
何となく会話が途切れて、息苦しい。



桃佳と駿が付き合いだしてもう少しで7ヶ月。
体の関係を持ったのは、実は1ヶ月くらい前のこと。それまでキスはしても体を交えることはなかった。それだけ、駿は桃佳を大事に扱っていた。
だから、セックスの回数も実は両手で足りる。
しかも二人でホテルに来るなんてことも初めてだ。いつもは桃佳の部屋でだったから。


「それにしても」駿の声に、桃佳は思わず体を硬くした。そんな桃佳の様子に、駿は苦笑している。「大丈夫だって。・・・それにしても、ラブホってもっと派手なもんかと思ったけど、案外普通なんだね」
「・・・だね」
桃佳もぐるりと部屋の中を見渡す。
確かに普通のビジネスホテルと比べると、部屋の中の暗めだったけれど、一目でラブホだと分かるような、あの日多希と一緒にいたホテルとはかなり違う。
多希の存在がまたしても頭の中をよぎり、桃佳は戒めるように自分のほっぺたをつねった。
「清水。ごめんね。なんか無理やり引っ張ってきちゃって」
そう言いながら、駿はビールの缶を開けて口をつけた。

ああ、やっぱり少し多希さんに似ている。

またしても多希のことが頭をよぎってしまう。
「俺さ、勢いつけないと清水のこと駅まで送っちゃいそうだったから。・・・今日は一緒にいたかったんだ」
駿は真っ直ぐに桃佳を見て、少しだけ申し訳なさそうな笑顔を見せた。
桃佳はテーブルの上に飲みかけのお茶の缶を置いて、駿の隣に座った。ベットのスプリングがギシリと音を立てた。
「いいよ。私も駿ちゃんと一緒にいたいから」
「清水」
嬉しそうに微笑んで、駿は桃佳に優しいキスをした。

駿と一緒にいたい。その気持ちに嘘はない。多希とのことがなければ、今のこの時間をどんなに素直に喜べるだろう。そう思うと、桃佳はつい多希のことを恨みたいような気持ちになる。
「俺、ちょっとシャワー浴びてくるわ」
「うん」
駿の背中を見送る。
駿がシャワーを浴びたら、自分も・・・。その後は?
考えると、顔から火が出そうなくらいにどきどきとしてくる。けれどここはラブホテル。そういうことをする場所だ。
暫くするとタオルで頭を拭きながら、トランクス一枚の駿がシャワールームから出てきた。
「風呂場、綺麗だったよ。清水もシャワーしてきたら?」
「うん」答えてから、さっきから自分が「うん」ばかり言っているような気がして、桃佳は苦笑する。
シャワーを浴びながら、桃佳はさっきこの部屋に入ってきたときよりもずっと居心地の悪いような思いにとらわれていた。
嫌、と言うことではない。ただ、これからセックスをするためにシャワーを浴びている自分が、なんだかとても居心地が悪いのだ。
シャワーを浴び終わり、悩んだ末に備え付けのバスローブに身を包んだ。
部屋に戻ると、駿はさっきと同じ格好でベット上で胡坐をかいて桃佳を待っていた。
バスローブ姿の桃佳を見て、照れくさそうに笑う。
桃佳も照れくさくて、思わず下を向いた。
「こっちおいで」
横になり、布団をめくって駿が手招きする。言われるままに桃佳は駿の隣にそっと横たわった。
心臓が高鳴り、『どうかこの心臓の音が駿ちゃんに聞こえてしまいませんように』そう祈る。

「清水」
そう言って、駿が桃佳の体を抱きよせ、桃佳の顔が彼の胸に押し当てられる。心臓の音が聞こえる。その音は桃佳と同じくらいに高鳴っていた。
「あのさ、嫌だったら何もしないから。俺、こうして清水と一緒にいられたらそれでいいんだ」
その言葉が強がりだということは桃佳にも分かる。証拠に、桃佳のお腹の辺りに、硬いものが当たっていた。それでもきっと駿は桃佳が「いや」と言えば、その言葉のとおりに何もしないのだろう。
桃佳はぴったりと駿の胸に付けていた耳を離し、その顔を見上げる。切なげに自分を見ている彼の視線とぶつかった。
「・・・いやじゃないよ。いやなわけ、ないじゃない」
その言葉を言い終わった瞬間に、駿が覆いかぶさってくる。何度も何度もキスをされる。息ができないほどに、深くて激しいキスを。舌と舌の絡まりあう音が、直接桃佳の鼓膜に響いて、頭がくらくらするほどだ。
唇が離されると、駿はゆっくりとした動作で桃佳のバスローブの帯をほどく。そしてバスローブの前を開き、桃佳の肌を晒した。
「腕・・・」
促されて、桃佳は上体を起こしてバスローブから腕を抜き、下着だけの姿にされた。そのままブラジャーのホックを外される。
恥ずかしくて、桃佳は両手で胸元を隠す。けれどその両腕を開かされ、胸元にキスをされながらゆっくりと再び押し倒された。
柔らかく胸を揉まれ、先端を舌で転がされる。
その度に体がびくりと反応して、甘い声が漏れた。
「ん・・・ぁあ」
しつこいくらいに何度も胸を責められ、背中をぞくぞくと電気が走るような感覚にとらわれる。吐く息が熱い。
身に付けていた最後の一枚である小さな下着まで脱がされ、駿の指がそこに到達したときには、もう自分でもどうすることもできないくらいに、桃佳の体は彼を求めていた。
「う・・・は、あ・・・ああ」
一番敏感な部分をなぞられ、背中を捩る。
その反応を見て、駿は面白がっているように更にその部分を擦り上げる。
「いやぁ・・・だ、め・・・っぁああ!!」
まるで自分の中に一本の火柱があるかのように、桃佳は自分の中心の熱さを堪えていた。
「我慢しないで」
耳元で囁かれ、桃佳の中で何かが決壊する。
「い、やぁああ・・・あ、ああ、ぁああ!!」
自分の体が自分で制御できない感覚。押し寄せてくる波に、抵抗することもできずに呑み込まれ、桃佳は大きく体を痙攣させた。
あまりの疲労感に、手足を投げ出したままで何度も荒い呼吸を繰り返す。
発光しそうなほど頬を紅潮させ、汗で額に張り付いた前髪を、駿は愛おしそうに指でよける。
満足げに駿は桃佳を見下ろし、その足を持ち上げると一気に突き上げた。
「あ、あ、あ・・・ぁあ」
規則的な動きと共に、桃佳からも規則的に切なげな声が漏れる。
どこかに飛ばされてしまいそうで、背中を弓なりにしながら必死にシーツにしがみつく。
駿が動くたびに水音が漏れ、溢れ出したものが駿と桃佳をどろどろに溶かしてひとつにしてしまっているような感覚。
そんな感覚を二人同時に味わう。
「・・・清水・・・っ。もうっ!」
呻くように駿が言って、激しかった行為が終焉を迎える。
「はああ」
駿が崩れ落ちるようにして、桃佳の上に重なった。ぐったりとして、二人とも肩で呼吸をする。荒く熱い息を吐きながら、駿は桃佳の体を強く抱きしめた。
全裸の体がぴったりと密着して、汗も体温も全てが交じり合う。
髪を優しくなでられ、桃佳は目を閉じる。
「清水」
「ん?」
ぴったりと密着しているので、駿の声は桃佳の体の中で直接振動する。
「今日はこののまま、ずっと朝までこうしていよう?」
「うん」
桃佳も駿の体に腕を回して、意外と筋肉のある引き締まった体を抱き寄せる。
それからまたどちらともなく唇を重ねる。
何度も何度もそうしながら、やがて眠りに落ちていった。



眠りに落ちる本の少し前、桃佳は罪悪感ではなくて、暖かいものに満たされている自分に気がつく。


駿の香りなのか、自分の香りなのか、それとも二人のものが混じったものなのか、どこか懐かしい香りに包まれながら桃佳の意識は完全に暗闇に落ちた。



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