りんどう庵

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りんどう庵

ぴ~ち・でぃず~ヒミツノカンケイ~ *R18


66.溺れる……

2010.03.25  *Edit 

何かで殴られているかのような酷い頭痛、砂漠にでも放り込まれたかのような激しい喉の渇きに、駿は堪らずに目を覚ました。まだまだ眠く、このままもっと眠っていたいのに、喉の渇きがそれを許してくれそうもない。しぶしぶという感じで目を開けた駿の瞳にぼんやり映ったのは、自分の部屋にはありえない、濃淡様々なピンク色の洪水で……
「!!」
その意味に気がつき、駿は弾かれるたようにベットから身を起こした。あまりに急な行動に、二日酔いの頭はこれでもかと言わんばかりにがんがんと痛み、駿は思わず頭を抱える。

「あ、おはよ~、駿。やっと起きたの? ずいぶんぐっすりと寝てたね」

濃淡様々なピンク色で溢れる部屋の住人……美鳥の呑気な声に、彼は痛む頭を抱えたままで視線だけそちらに向け、そのまま固まってしまった。
「ねえ、何か飲む? 麦茶と……アイスコーヒーと、スポーツドリンクがあるけど、どれがいいかな?」
相変わらず呑気な声で笑顔を浮かべる美鳥は、薄いひらひらしたキャミソールとピンク色のレースのついたショーツを纏った格好で……否、キャミソールとショーツしか身に着けていない格好で、冷蔵庫を覗き込んでいる。
「……っ、な、なんて格好してんだよ!!」
美鳥のあられもない姿に、駿は真っ赤になり金魚のように口をパクパクさせた。
「なんて格好って……じゃあ駿だって、なんて格好してんのよ」
動揺した駿がおかしくて、美鳥はくすくすと笑いながら彼のほうを指差す。
「へ?」
彼女に指摘されてはじめて、駿は自分自身の違和感に気がついた。直接肌に触れる空気の感覚……それが何を意味しているのかを知るのが怖くてごくりと息を飲んだものの、裸、という事実に間違いはなさそうだ。
そして、更に悪いことに、布団がかかっていて見えないものの、間違いなくトランクスも履いていない。
まだアルコールの抜けない頭で、駿は必死に自分が何をしでかしてしまったのかを考えた。焦ってしまった思考は混乱をきたし、何も思い出すことができない。考えれば考えるほどに、頭は余計に痛み出して、駿の思考を邪魔する。

「美鳥……俺、なんかした……んだよね?」

何も思い出せないものの、下着しか身に着けていない美鳥と、全裸の自分を考えれば自ずと答えは見えてくる。そう、きっと自分は昨夜酔いに任せて美鳥と身体を合わせてしまったに違いないと……
「覚えてないの?」
「ごめん。全然……俺、何した?」
何をしたなんて女性に聞くのは失礼なことかな、と駿は口にしてから後悔する。けれど美鳥の方は全く気にしていないかのように、それどころか面白そうに目を細める。
「じゃあ私が全部教えてあげようか? 駿は私の服を強引に脱がせて、嫌がる私を組み伏せて……」
「ちょ!! 俺、そんなことを……!?」
慌てて布団から出ようとした駿は、自分がトランクスさえも履いていないことを思い出して思いとどまる。おろおろとする駿に、我慢できないといった様子で美鳥が声をあげて笑い出した。
「嘘だってば!! 大丈夫、駿はそんなことしてないから心配しないで」

『そんなことしてない』

その言葉の意味がどこまでを指すのか、駿は聞くのを躊躇った。もしも、万が一、もしかして最後までしてしまっていたら? 覚えていない、じゃあとても言い訳などできるものではないだろう。
暑いくらいの部屋の中にいるというのに、駿はゾクリと背中に冷たいものが走るのを感じた。
「本当に何も覚えてないの?」
麦茶の入ったペットボトルを片手に持って、小首を傾げた美鳥がゆっくりと近寄ってくる。
「……うん。悪い」
どこまでしてしまったか分からないものの、駿には謝る他ない。
「ふうん。そっか。本当に覚えてないんだね……駿、昨日酷く酔っててね、彼女とのこと話してたよ」
「え?」
「自分は彼女にひどいことをしたって。隠してても、彼女が自分に対してまだ怯えてることもわかってるって。……辛いって」
美鳥の言葉に、駿は眉をひそめて視線をそらした。
彼女の言葉は、駿が胸の中に閉じ込めた思いだったから。桃佳と仲直りできたことを喜びながらも、胸の奥深くに閉じ込めていた思いだから。
今日会った時のしっかりと胸に鞄を抱きかかえた桃佳は、駿から身を守ろうとしているかのように彼の目には映っていた。最後に繋いだ手さえも、ぎこちなく、握り返されることはなかった。駿は、桃佳と自分との間にできてしまった、透明な壁に気付いてしまったのだ。
けれど、認めたくはなくて閉じ込めた思い。それを、酔っていたとはいえ美鳥に言ってしまっただなんて……
辛そうに横を向いてしまった駿の頬を、少しだけかがむようにして美鳥はそっと撫でる。
「よくは分からなかったけど、駿が辛いんだってことは分かったよ」
「美鳥……」
「だからね、セックスしたの。私も彼氏とのことで辛かったし、寂しかったから」
彼女の言葉で、昨日の夜は最後までしてしまったことが確定した。けれど、それが分かったからといって、駿にはどうすることもできない。駿には桃佳がいるのだから。
「ごめん。やっぱりしちゃったんだね。でも、俺……ごめん」
頭を下げる駿に、美鳥は微笑みながらその頭を撫でる。
「気にしないで。私も気にしてないから。恋愛関係の伴わないセックスってのもありだと思うよ?」
少しは全く覚えていないことを責められると思っていたのに、彼女の口から出た言葉は意外なもので、駿は驚いたように目を見開いて美鳥を見る。
彼女は目を細めて笑うと、ベットに腰掛けてペットボトルの麦茶を口に含んでいきなり駿に口付けた。
いきなりのことに抵抗もできず、されるがままになる。更にぐいと身体を押し付けられ、駿は肘で自分の身体を支えるかたちになってしまい、美鳥の身体を押しのけることもできない。
つう、と生暖かいものが美鳥の唇から駿の口腔に流し込まれる。流し込めなかった液体が口の端から、首を伝って鎖骨を通り腕の方に流れていく。冷たい感覚に肘から力が抜けて倒れこむと、美鳥に押し倒されたような格好になる。
「麦茶、おいしい?」
駿をベットに押し付けたままで、美鳥は怪しく微笑む。
「ちょっ、美鳥! 何してんだよ。早くよけて!」
駿の言葉に反するように、美鳥は彼の裸の胸にぴたりと自分の頬をつけた。
「いいじゃない、別に。あなたも私も寂しいんだから。内緒にしてたら誰にも責められないよ」
「な、何言ってるんだよ。離れろ……」
もう押さえ付けられいるわけでもない身体は、いつでも彼女を押しのけられるはずなのに、言葉とは裏腹に駿の体はそのままでじっと動かない。
「私は、いや?」
馬乗りになり、美鳥は駿を見下ろす。胸元の開いたキャミソールは、ブラジャーもつけていない胸元を見せ付けているかのようだ。
「ねえ、別にいいじゃない。私、駿の彼女になりたいだなんて思ってないよ。ただ、お互いに寂しいなら、慰めあおうって……それだけ」

自分を警戒して、怯えるようにして鞄を抱える桃佳。
自分を誘うように素肌をさらす美鳥。
触れられない大事な人と、手を伸ばせば触れられる都合のいい関係。

「きゃあ」
小さな悲鳴を上げて、美鳥がベットの上に転がる。駿がその身体を引き寄せて倒したのだ。
さっきとは逆に、今度は駿がその身体にのしかかる。
「……身体だけってこと?」
「そう。欲しいときにセックスするだけ。それ以上でも、それ以下でもない。いい関係でしょ?」
美鳥が駿の体の下で身を捩り、身につけていたキャミソールを脱ぎ捨てた。白い肌が、惜しげもなく駿の目にさらされる。
「いいじゃない。我慢しなくても」
手を伸ばして首に巻きついてくる腕。滑らかな肌が直接に当たり、甘い香りが鼻腔をくすぐる。ほんの刹那、桃佳の顔が過ったものの、駿の理性はばらばらに砕け散ってしまった。
「……美鳥!!」
柔らかな肌を確かめるように、強く抱きしめる。息もつけないくらい貪るようなキスをして、首筋に舌を這わせる。両手で転がすように胸を揉みしだき、その中心を口に含んで強弱をつけて刺激を与える。
「……あン! 気持ちいい……はぁ……あ、あ、うン!!」
身を捩り、背中を反らせる美鳥に、駿は自分の中が満たされていくような感覚を覚えた。『男』として『女』を喜ばせる喜び。この前の一方的なセックスでは、得られなかった充足感。
指先を足の間に滑り込ませて、しつこいくらいに撫で上げ、中を掻き回す。
「はぅ……ン!! あぁ!! あ、あ、……イイっ」
びくびくと身体を痙攣させて、駿の行為に反応を見せる。指先に絡みつく蜜が、十分に感じていることを言葉よりも明確に告げていた。
「お願い……もう、きてぇ……」
潤む瞳で見上げられて、駿は一層満たされていく。
こんなふうにせがまれることなど、桃佳との行為ではなかったから。
焦らすようにゆっくりと埋め込み、仰け反って白い首筋をさらす美鳥の反応を見ながら、一気に激しく攻め立てる。
「はあ、あンっ、あア、ン、はあ……もっと……っ、もっとしてぇ!!」
明らかな反応と、もっととせがむ甘い声。
二日酔いだったことも忘れ、もっと美鳥を喜ばせたくて、駿は激しく攻め立てていく。
「もう、ダメぇ……!! イっちゃう……あ、あああああンン!!」
切なげに絞り出される声に、駿も触発されて一気に登り詰めて達した。


「はい。喉渇いたでしょ?」
もう何も身に着けていない美鳥から、起き上がってスポーツドリンクのペットボトルを受け取る。
さっきの激しい行為の後で、もう彼女の裸を見ることにも、自分の裸を見られることにも抵抗感はない。それどころか美鳥の裸を見ると、『もう一度あの甘い声を引き出したい』というような気持ちが湧き上がってきた。
ベットに腰掛け、自分の隣に座る彼女からペットボトルを取り上げると、蓋をして床に転がす。それと同時に、駿は美鳥の身体をベットに押し倒していた。
「どうしたの? 駿。今したばっかりじゃない」
呆れたように、それでも可笑しそうに笑いながら美鳥が駿を見つめる。
「まだ、足りないんだ」
そう言いながら駿は再び彼女の胸に、愛撫を加えはじめる。
「はぁ……ン、もう、仕方、ない人……あぁん!」
責めあげられ、頬を紅潮させながらも美鳥は優しく駿の頭を抱きしめる。


心の中から桃佳が消えたわけではない。
けれど、体が柔らかな肌の感触を求めてしまうことを、どうしても駿は止められなかった。
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